懐かしのFlickrがまた売却されていた。

  • 2020.10.17
  • 更新日:2022.02.11
  • Flickr

なんだかんだ、今年一番やったことは、悲しいかなFlickrへの投稿なのかもしれない。
遊びや小旅行以外で個人の時間を使ったもの、という意味で。

座してステイホーム。我ながら退行していると思う。(全部コロナのせい)

Flickr 栄枯衰退

Flickrと聞いてもキョトンとする人の方が今は多いのだろう。
まあ今更感満載というか今更感すらない、そもそも知られてないのであった、特に日本では。

その昔、写真共有SNSという触れ込みで始まったFlickr。当時は友人と一緒に写真や絵などをアップして海外からの反応を楽しんだり、共有したアカウントでZINEを作ろうとしたりしたこともあった。

サービス自体が全て英語で、あまり広まっていく雰囲気はその頃からすでに無かったが、
それでも海外のユーザ達はまだ元気で、当時の他のSNSよりも居心地が良かったことを覚えている。

しかし、日本では決定的に流行っていなかった。日本語に対応していなかったということも一因だろう。Flickrのアカウントを作るためには、米Yahooのアカウントが必要だったため(Yahoo Japanではなく)、人に薦めても面倒がられた。

そうこうしているうちに、facebook、instagramといったサービスの爆発的ヒットに飲み込まれ、あっという間に片隅に追いやられてしまった。その後色々な会社にたらい回しに買収されていたあたり、そこそこのユーザ数と大量の画像データを抱えてしまったことが却って落とし所を見つけにくくしてしまったのかもしれない。

自分もしばらく開いてもいなかったFlickrだが、急に動向が気になったので調べてみると、2018年くらいの「SmugMugという会社に買収された」という記事が日本語圏のニュースサイトではほぼ最後だった。SmugMugは同じく画像ホスティングサービスを運営するライバル企業であったようだが、Flickrとは統合するわけではなく、コミュニティなどの機能はFlickrにそのまま残っているような状態。また、買収のタイミングでそれまで無料プランでも2TBまでは無制限だったFlickrのストレージが1000枚までと制限がかかり、これが無料プランユーザのFlickr離れを加速させたのではないか。

まあすでに買収されているのでVSもクソもないが・・、

大量の画像データを抱えている人たちの中にはSmugMugに移行した人もいるとは思うが、上記の通りSmugMugにはコミュニティの機能は無く、ストレージの機能の他には、『独自ドメインを持てる(Powerプラン以降)』、『画像販売用のeコマースツールがある(Portfolioプラン以降)』といったように、元々のFlickrユーザ(特に無料プラン)の大半とは異なった目的となるため、ストレージとコミュニティのみを必要としているユーザは、『ストレージのみ別の無料サービスに移行する』もしくは『どうせ有料ならFlickr Proに移行する』、といった選択肢を選んだようだ。

ちなみにSmugMugに無料プランは無く、ストレージとしてのみの利用であれば、一番安いBasicプランで月額$9となり、Flickr Proは一番高い月額ごとのプランで$8.49、年額のプランを選べば月ごとに$6.67なので、コミュニティなどに重きを置いているユーザはこちらを選ぶだろう。

いまさら始めてみよう Flickr

そんなわけで盛者必衰のFlickrをしばらく眺めた後、2020年を皮切りに、急遽コンスタントに投稿(月1回のイラスト)を再開してみた。深い意味は全く無い。アカウント名がほぼ本名なのでここで公開はできないが、今後もなんとなく続けていくつもりだ。

あえて意味づけをするなら、ステイホーム生活にゆるめの刺激を、といったところか。

月に最低1投稿という縛りを自分の中でやってみて思うことは、

  • 少なからず継続していれば、見てくれる人は増えるということ
  • オワコン化しつつあるが、使っている人は結構いるということ
  • 上記の人たちは、おそらく自分と同じように継続を迷いながらも、他のサービスに移行することが心理的に難しく、なんとなく続けている
  • そして、サービス自体を復活させたいと心のどこかで思っている(願望)

少し気になるのは、今使っている人は国別に偏りがあるのかということ。日本は激減したのかな、そもそも最初からあまり使われていなかったとは思うが。

かつて日本ではオンラインストレージとして使っていた人が多かった印象だが、他のオンラインストレージメインのサービスが進化するにつれ、そういう利用者はどんどん減っていった。Flickrはもともと写真を共有するSNSサービスだったため、実はコミュニティも肝で、日本語対応が無いことから日本人にとってはあまり魅力を感じられなかったのかもしれない。

今残っているユーザたちは、Flickr内でささやかなコミュニティを持続させている。instagramほど商業色が強いものでもなく、twitterほど無駄なやりとりが活発なわけでもない。サービス自体からのほっとかれ感、割とぬるめのこの感じを好む人たち(自分もそうだ)。

Flickrでfavをたくさんもらうコツなどもおそらくは独特で、投稿した画像の良さももちろんだが、純粋にそれだけではないように思える画像も多々ある。まず一つはタグ付け、もう一つは画像の投稿先のグループ、そして最後に自分のフォロワーとの関係性。

この中で、特に投稿先のグループが死んでいるかどうかというのが結構重要な気がしている。
自分もその昔参加していたグループに気にせず投稿していたら、ほとんど更新されていないグループだった、ということがよくあった。そのグループがどの時期に作られたものなのか、Flickr人気がピーク時に作られたものは、作った人が辞めているケースも少なくない。

フォロワーに関しても同じことが言えて、なにぶん辞めてしまった人が多いサービスなので、
タイムラインは同じような人たちで埋まりがち。なので新しく始めたユーザをガンガンフォローしていく方が良いのかもしれない。継続している人たちを無視することはもちろんできないが、その中だけで生きていこうとすると、オワコン感が強くなり、なんだか苦しくなる。むしろ新しく始めている人たちに、どういうつもりなのか聞いてみたい。

タグ付けは今でこそどのサービスでも使われている機能だが、実装したのはFlickrが初めの方だそうな。まあ一番ではないかもしれないけど、確かに最初からあったし当時は珍しかった。

Pro(有償)への検討

基本的に無料で使えるFlickrだが、衰退の根本的な原因にもなった『Flickr Pro』という有償のサービスについても少し触れよう。Proに移行すれば広告も表示されないし、アップロード数も無限になるし、自分の投稿した画像やページに対しての解析も出来るようになる。そのほかにもAdobeのPhotoshopやLightroomが2ヶ月無料で使えたり、お金をさらに払えば自分の写真集が作れたり・・、とまあどれも正直微妙!

しかし何故か、今この有償プランを検討してみようか、という自分がいる。無料とどんな違いがあるのか、と。今のところSmugMugに買収されたものの、Flickrとしてのサービスは独立させていくらしい。このまま終わるなら終わるとして、サービスの動向を追ってみたい気もするのだ。

年末くらいまで悩みつつ、そもそも全て英語なのであまり使いこなせていない機能を理解するところから始めよう。何か新しい発見があればいいな。