『英語の多動力』を読んでみた。


普段ビジネス本の類はあまり読まないが、内容が英語についてということ、さらには以前記事を書いたLingvistについて書いてあるという話を聞き、堀江貴文(著)『英語の多動力』を読んでみた。

堀江氏については特に先入観なく読めたと思うが、やはり話が面白い人だなあという印象。その昔世間を賑わせていたときは正直あまり知らず、むしろ最近YouTubeに投稿している動画を見るようになって考え方や人柄を知った。明快ではっきりした物言いと、驚くべき知識量でどんなジャンルの話をしていても面白く聴ける。

本書は、『英語✖️何か』で自分に新たな価値を作り出す、という話が本筋ではあるが、その事例として6名の英語での成功者へのインタビューと、そもそも『学ぶ』とはどういうことかを英語学習への取り組み方や学習環境の進化を通じて伝えている。以下に挙げる4点は、自分が読んでいて印象に残ったテーマなので、購入される方の参考になれば幸いだ。

読後、印象的なテーマ4つ

1.学習することは行動すること。
準備ができてから実践しようとするから、結局やらない。本書にも繰り返し出てくるが、一番大事なのは「トライアル・アンド・エラー」で自分の中に経験値をためていくこと。失敗することを恐れない。

2.英語に触れる、を続けること。
色々な教材をハシゴし、ハマれるものを見付けたらとことこん没頭する。逆にハマれなかったら即捨てる。大事なのは触れ続けること。何かにハマれるまでは、取っ替え引っ替えしながらも英語に触れ続けるということだ。飽きたり違うなと思ったらすぐやめるのも、英語に触れることを続けるため。飽きたのに無理やり続けているとどんどん嫌になり悪循環。

英語は”やり続けること”が大切だ。だから結果ではなく、”自分が実際に今どれくらい英語に触れているか”をペースメーカーにすれば、学習を継続しやすくなる。

これはほんとそう。2、3ヶ月で結果が出るようなものは英語に限らず無いし、あっても大した技術では無い。何でもそうだが、使い続けなければ使えるようにはならないということ。辛くならないように、遊びの余白を残した状態で続けるための仕組みを作る。同時に、日々の時間管理を見える化して、本当に自分に時間が無いのか自問自答してみる。まあ自分も含め、本当に時間が無いなんていう人は稀だと思う。

3.具体的な目的を持って英語を学習する。
何のために、誰とどういうコミュニケーションを取るために、何を社会にシェアするために英語を学ぶのか、を明確にする。
これは、世の中での自分の価値を作り出す話とつながっている。(英語を使って相手と何について話したいのか)

直に人とコミュニケーションをしたいという根本的な欲求がある限り、コミュニケーションの場においては機械翻訳よりも早く瞬間的に反応できるということにおいて、英語を使えるようになることには意味がある。自動翻訳の精度が高くなり、英語を話せないという場面が無くなれば無くなるほど、話そうとしない人々が浮き彫りになる。自分が英語を話せるようになることで、コミュニケーション出来る相手が増え、得られる知識も増え、必然的に世の中における自分の価値も高まる、ということだろう。話そうとしない人との価値の差はどんどん開いていく。

4.飽きないための努力と環境作り
2でも書いたことだが、学習することにおいて、一番効率がいいのは何かに没頭することだと思う。そのための教材探しのヒントが、いわゆる英語教材に限らず本書ではたくさん紹介されている。Youtubeで自分が興味を持っているテーマの動画を観たり、好きな映画の俳優のセリフを英語で真似たり、自分が没頭できることならまずはなんでもいいのだ。また一方で、学習のための環境作りとして、時間管理のアプリを使って生活の中の無駄な時間を省いていく。Lingvistなどの優れたAIアプリを使って時短学習を行うのも、どちらかと言えば時間管理に近いのかもしれない。


英語に限らず、何か始めたいひとはぜひ

自分が英語を学習するにあたり大事にしていることなど、本書で書かれていることと共通点が多く、読んでいて共感したり安心したりさせられた。英語に限らず、学習する、ということに迷った経験がある方にはオススメ。何かをスタートするきっかけにもなる1冊だと思います。