ダルバート愛

こちらの記事、初期の頃の記事ということもあり感情的な割に正直内容も薄く、タイトルで『ダルバート愛』と謳っているものの、あまり愛情の感じられる内容ではなかったので大幅にリライトした。約五年越しに解説図も載せることができたので、多少分かりやすくなっただろうか。

昨今、美味しいダルバートを食べさせてくれるネパール料理屋さんも増え、認知度も上がってきたダルバート。気になった方はぜひお近くのネパール料理屋で頼んでみてください。


皆さんはダルバート(dālbhāt)という食べ物を知っているだろうか?

カレー好きの方になら愚問だったかもしれないが、ネパール料理の代表的な料理の一つで、「ダル(Dal)」は豆、「バート(bhat)」はご飯を意味していて、概して日本でいうところの「定食」のような意味である。当然お店によって違うし、日によっても内容が違うものなのだが、大体はワンプレートの上にご飯とカレー数種類、タルカリという野菜のおかず、アチャール、それに豆のスープが付くというところは変わらない。

これが、本当に美味しい!

ダルバートの魅力その1:ダルスープ

まず、ワンプレートの前もしくは一緒に『豆のスープ』が出てくるのだが、これが死ぬほど美味い。何ならこれをずっとご飯にかけて食べ続けたいくらい美味い。『ダル』バートと冠に付いているだけあって、このダルスープがプレートのメインディッシュと言って差し支えないほど美味い

あまりにシンプルなスープなのでレシピを探したが中々出てこないし、自分で作ってみても何か違う。バターとターメリックとニンニクと・・、と入っているものは何となく分かるのだが、どうもあの味が出せない。お店によってはダルスープおかわり無料なところもあり、本当にありがたい。

ダルバートの魅力その2:アチャール

プレートを進めていこう。大体2種類のカレーにダルスープ、『アチャール』というネパールの漬物、野菜的な副菜が付くのが基本。計3種類のメインおかずと副菜とでご飯を食べ進めることになる。

このアチャール、まあ平たくいうとピクルスのようなものだけど、大根やカブ、玉ねぎやじゃがいもなど、カレーと同じく店によって材料も多種多様。味もただ酸っぱいだけではなく、甘くしてあったり胡麻ベースのものがあったりと、毎回楽しみにしている一つだ。

正直、ダルスープとアチャールだけで出されたとしてもかなり満足する。日本食で例えるなら、家庭によって味噌汁と漬物が違う楽しさ、と言ったところだろうか。脇役にしておくにはもったいない。数種類のアチャール食べ比べとかあったら間違いなく注文する。

ダルバートの魅力その3:お皿を彩る副菜たち

まあ上記のアチャールも副菜の一つではあるので特別扱いするのもどうかと思うが、おかずというよりは漬物的役割なので別項目にしておいた。

まずはどうでもいいところからいくと、ダルバートに付いているサラダは、何故かぶつ切りの生野菜であることが多い。人参やきゅうりのスライス、慣れてくると全く気にならないが初めて見た時はこれで1種類扱いかぁという気持ちになった。もちろん普通にサラダしてるお店もある。完璧なプレートの中の愛嬌のような存在。心の中でつい「野菜」と思いながら微笑してしまう。味はもちろん美味しい。

そして『タルカリ』と呼ばれる野菜のおかず。これがまた美味しい!どこのお店でも日によって多少違うものが出てくるとは思うので、これを楽しみにしている人もかなりいると思われる。材料も根菜だったり、ダルスープとは違う豆だったり、キノコだったり店によって様々。楽しいね!

次に『サグ』と呼ばれる青菜の炒め物。これはほうれん草だったりからし菜だったり、青菜全般を指すようだ。よくほうれん草のカレーでサグチキンとかサグマトンとかって名前が付いていると思うが、そのサグ(またはサーグ)も同じ。

最後に、『パパド』と呼ばれるインドおせんべい。これはお店によってあったりなかったり、ネパール料理に限らず、インド料理でも出てくるし、おつまみというか箸休めというか、塩っぱくて美味しいスナック。最後に全て混ぜて食べる派の人たちはこれを割って振りかけてよく食べている。

そしていよいよカレー(ようやく)。

ダルバートの魅力その4:カレー

カレーといっても、ドロリとしたルーで出てくるイメージは少ない。野菜をカレー粉やスパイスで炒めた感じのものや、チキンにマトンなど材料によってベースの味は異なるが、マイルドで実に美味い。

現地ではあまり動物性のタンパク源を使わないらしいが、日本で食べる分にはチキンやマトンなどが使われることが多く、より満足値の高いものになっている。もちろん野菜のみのカレーも美味い。数種類の味の違いを楽しんでも良いし、混ぜて食べるのも楽しくて且つ美味い。前述でも軽く触れたが、最後に全部混ぜて食べる派もいる。ちなみに全部混ぜると宇宙的な意味で美味しさを感じること請け合いだ。自分はその日の気分によって混ぜたり混ぜなかったりで、貰い受けるパワーを変えている。

混ぜることなども含めて考えると、カレーやダルをメインとするのではなく、全て並列に捉えるのがダルバートに対しての正しい向き合い方かもしれない。

ちなみにこれまで触れることを一切忘れていたが、中央に鎮座しているライスこと米。これも店によって普通の白米だったりインディカ米(長粒米)だったりと分かれるのだが、個人的にはインディカ米の方が爆発的に美味い。ただまあ、白米でももちろん美味い。インディカ米だと嬉美味い。

終わりに

個人的に今まで食べたダルバートの中で一番美味しいと思っているのは、恵比寿にあるソルティーモードというお店のもの。このお店のダルスープはいくらでも食べられるほど好きである。タイミングによってはネパールの干し肉など、現地のメニューに近いものが体験できることもあるので、恵比寿にお越しの際は是非に。


一時期は毎月一回は必ず行っていたほど好きだったけれど、悲しいかな最近は足が遠のいている・・。と言っていたのも5年前。コロナも相まってなおさら遠のいてしまった・・・。

調べてみたところ、幸いにもまだ営業されているようだが、コロナでお気に入りのお店が閉店してしまうことも多々経験したので、行きたいと思ったタイミングに行くのが大事だと、最近では強く思います。